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2023/12/21

【レポート】企業研修プログラム開発トライアル

潮垢離、熊野古道と企業研修

さまざまなコンテンツ開発と地域資源をつなげながら、扇ヶ浜を起点に、田辺の海や街田辺の海、街が現代版の「SHIOGORI:潮垢離」の場として改めて確立し、新たなまちの価値創造、地域ブランディングを行う観光・まちづくり事業【SHIOGORI PROJECT(シオゴリプロジェクト)】。

 

SHIOGORI PROJECT(シオゴリプロジェクト)では、様々な企業のブランディングを手掛ける株式会社PARADOX(パラドックス) 様と共同し、田辺地域をフィールドとした企業研修プログラムを開発しております。

よみがえり、リスタートの地として

ウェルビーイングという言葉がよく聞かれるようになった世の中、個⼈として、新しい⾃分、新しい価値観、新しい仕事、新しい⽣き⽅に出会おうとしている⼈が増えているといいます。

企業にとっても同じく、これまで社員と企業のやりがいや⽬的の接続ができない場合は転職・離職などしか選択肢がありませんでしたが、しかし、社員⾃⾝のマインドが変わることで、社内や事業においても、社員の可能性の別様の活かし⽅が⾒つかり、新たな企業の可能性を広げることになるのではないでしょうか。

そういった観点から、現在、様々な企業の社員様を対象に、ゼロ、フラット、ニュートラルな状態になる経験をしていただき、⾝につけてきた固定観念や思い込みなどを脱ぎ捨て、新たな自分に生まれ変わり、可能性を広げるための「研修プログラム」の開発を行っており、プログラムを実践するにあたって、潮垢離、熊野古道といった禊、リスタート、よみがえり、などの背景をもった田辺地域が最適となり得るとして、当地域をフィールドに進めているところです。


この度、12/14~12/17にかけて、研修プログラムの造成にあたってのトライアルをパラドックス様と共に実施しました。

トライアル1日目(12/14)

死の体験旅行

死の体験旅行とは、もともと、海外のホスピス(終末医療施設)で始まったと言われているワークショップ(体験型講座)です。
ホスピススタッフが死を間近にした患者の気持ちに少しでも寄り添い、最期の日々のQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生命の質)を高く保つために開発されたといわれています。

今回、そんな医療者向けのワークショップを自ら体験し、そして現在は「死の体験旅行」開催者としてファシリテーターを務める、
なごみ庵の浦上勇哲 住職」を講師としてお招きし、実際に体験させていただきました。

研修行程に最初に本コンテンツを組み込んだ主旨として、まず、新しく生まれ変わりよみがえるために、まず一度死を体験してみる、というもの。
さらに言えば、生と対称である死を体験することで、新たに浮き彫りになる生きていることへの実感、大切さ、贅沢さを知るということです。

自らが命を終えていく過程を擬似体験し、死を待つ人々がどのような喪失感を味わっているのか、悲しみ苦しみを感じているのかを体験するワークショップ内容となっていました。

体験終了後には参加したスタッフから感想、意見を抽出。
普段、自らが死ぬことを想定して生きていることがなく、今、生きている自分を見つめなおす機会となったように思えます。

 

トライアル2日目(12/15)

暗闇ごはん

2日目の午前中、浄土真宗東本願寺派 湯島山緑泉寺の青江 覚峰 (あおえ かくほう) 住職が考案した、「暗闇ごはん」を実施しました。
暗闇ごはんは、住職が海外で試されている真っ暗な中で食事をとる「ブラインドレストラン」を、日本の食文化にアレンジして考案。
日常では体験することのできない真の暗闇を演出し、完全に視覚を奪われた中でものを食べることで、残された嗅覚、味覚、聴覚、触覚をフル回転させるワークショップです。
死から生まれ変わるために、一旦、自身の固定概念を取り払い、想像力をより開花させることを目的として、今回の研修行程に組み込みました。

今回は、実際に現地に青江住職をお迎えしてワークショップを実施していただきました。

アイマスクを着用して、本当に視界を奪われた暗闇の中での食事。食感だけが頼りとなると、視覚に頼っていた“当たり前”がが取り払われ、これまでと違った食事の楽しみが増した気がします。
目で見ているモノがすべててはなく、いろんな角度から物事をみることによって、改めてそのモノの価値が見出されることを知らされました。

会場:the CUE(キュー)

 

水垢離~熊野古道歩き

2日目の午後からは滝尻王子を経由して、熊野古道歩きへ。
滝尻王子では、熊野古道館にて事前の情報収集を行い、水垢離の意義などを知っていただきました。

今回のトライアルでは、熊野古道中辺路のシンボル「牛馬童子像」から近露王子までのルートを歩いていただきました。

なんといっても田辺市の最大の観光資源でもある、世界遺産 熊野古道。
生まれ変わり、よみがえりの地へ向かう道中、⼈と話さずに静かに歩を進めながら、⾃然の声、⾃分の声を聞き、自分自身を見つめなおしていく作業には、歴史的背景からみても熊野古道が最適のフィールドです。

 

湯垢離~キャンプ

熊野古道歩きの後は、熊野へ詣でる前に、湯垢離場(ゆごりば)として身を清め、長旅の疲れを癒したとされる由緒ある温泉、湯の峰温泉(ゆのみねおんせん)を視察。


その後、おとなしの郷のコテージに宿泊。
キャンプ場において夕食を自分達で準備し、そして焚火語りを行うことで、チームビルディングの一助となる環境づくりとなるよう、プログラムに組み込みました。

 

トライアル3日目(12/16)

熊野本宮大社

3日目の午前は、熊野三山(本宮・速玉・那智各大社)の中心、全国に4700社以上ある熊野神社の総本宮、熊野本宮大社を参拝。
その後は、熊野本宮大社旧社地「大斎原」も視察いただきました。

こうして、一度、死を体験した後、あらゆる固定概念を捨て生まれ変わり、新たな自分自身を生成しながらよみがえりを果たす行程を終えました。

 

ホースコーチング

3日目の午後には、田辺市のお隣、白浜町内にあるアドベンチャーワールド様において実施されている、「ホースコーチング」を体験。
このホースコーチングは、馬を通じて自身の内側の自分と対話をすることで感覚や感情に自覚的になり、セルフリーダーシップを向上させていくプログラムで、アドベンチャーワールド様が提供するウェルビーイングを探求する体験です。
ノンバーバル(非言語)コミュニケーションで、馬とゼロからの関係構築を築いていく過程で、他者を信じゆだねる感覚を磨き、本当のコミュニケーションとはなにかを身に着けていきます。
本来は2日間行程で実施するプログラムを、今回は数時間の間で体験させていただきました。

馬は、群れで生活する草食動物の中でも特に繊細かつ敏感な生き物で、人間のわずかな感情の機微や気の変化を感じ取り同調する『ミラーリング』 という特性を持っているとのこと。
この特性を通じた体験プログラムにおいて、他者の気持ちを理解し自分の気持ちを伝え、動かすといった経営者やリーダーのような“群れを率いる“役割を持つ人材に必須となるスキルを体得するのだそうです。


今回はブラッシングなどの体験をさせていただく中で、こちらの緊張などが馬にも伝わり、馬も緊張する様などを直にかんじることができ、言葉が通じない相手と向き合い、どうすれば理解し合えるのかなどを考えさせられました。

 

地域との交流

3日目の夕刻には、田辺市街地に戻り、イベントに参加。
この日は、シオゴリプロジェクトにおける人材交流と新たなチャレンジ、アイデア提案を目的とした事業「シオゴリバ」を、JR紀伊田辺駅前のパブリックスペース「弁慶広場」にて特別開催していました。(シオゴリバvol.11 大忘年会 in 弁慶広場


地域内の様々な人材が集うシオゴリバに訪れた人が交わることにより、新たな発見やアイデアが生まれる、まさにシオゴリバというイベント主旨にも合致した交流が実現できたかと思います。

 

トライアル4日目(12/17)

扇ヶ浜潮垢離場

4日目は扇ヶ浜潮垢離場へ。
1,000年以上昔、心身の平安を求めて貴賤を問わず多くの人々が熊野を目指した際、その熊野詣の事前儀式として田辺周辺の海水で身を清めていた大切な儀式である「潮垢離(しおごり)」。現代の潮垢離場が設置されている扇ヶ浜。

改めてのこの場所をリスタート、「SHIOGORI:潮垢離」の地として確立することを目指しています。
開発している研修プログラムの行程を経て、新たな明日へ向かう。
そういった意味で、プログラム全体をSHIOGORI:潮垢離と捉えることが出来ます。

 

おとなまき体験

扇ヶ浜潮垢離場の視察後は、おとなまき体験
おとなまきとは、専用のメッシュ布で繭玉のように巻き上げ、人間本来の形に合わせ、理に適う姿勢を維持されることで、子宮の中にいる胎児のような体験をするもの。

研修行程の仕上げに本コンテンツを実施することにより、死を体験し、新しい自分によみがえり、そして胎児として生まれ変わる、といった締めくくりを行うといった主旨がございます。

 

トライアルを終えて

振り返りと今後について

今回のトライアルを通じて、改めて当地域の歴史的背景と魅力、そして可能性を感じられました。
当地域における企業研修プログラムを確立させるためには、一つひとつのコンテンツの実現性と自走性、実施する意義などクリアにしながら、何よりご参加いただく方々への還元内容を明確化する必要があります。

潮垢離から始まり、水垢離、湯垢離と清めの儀式を繰り返して熊野を詣で、1000年前に参詣していた人々。
身分や階級を問わず、多くの人々が熊野に憧れをいだき、救いを求め、よみがえりを願って異郷の地とも思える山深いこの地を目指しました。
そういった当地域の歴史的背景を踏襲し、現代においても、人と企業が⽣まれ変わるための研修の聖地に確立していけるよう、本プロジェクトを前進させていきたいと思います。