2024/04/19
【コラム】熊野本宮大社例大祭
熊野三山(本宮・速玉・那智各大社)の中心、全国に4700社以上ある熊野神社の総本宮である「熊野本宮大社」で行われる最も大きなお祭りが、この例大祭です。
毎年4月13から15日にかけて行われ、13日の「湯登神事」は和歌山県の無形民俗文化財に指定されています。
今年は世界遺産登録20周年の節目となり、多くの参列者らでにぎわいました。
初日は稚児を肩車した父親が湯峯王子から熊野古道大日越えをする「湯登神事(ゆのぼりしんじ)」、最終日には大社から旧社地へお渡りする例大祭最大の「渡御祭(とぎょさい)」があります。
湯登神事
13日午前、宮司以下の神職者・氏子・修験者・伶人(神楽人)・氏子総代、稚児ら、総勢40~50人が列を成して熊野本宮大社を出発し、太鼓に合わせて神歌を歌いながら、潔斎の為に湯の峰温泉を目指します。今年は田辺市と新宮市から1~4歳の男児と父親の8組が参加。
当家と呼ばれる斎屋(ゆや)に到着すると、湯垢離によって身を清め、湯粥を食べます。
また、熊野の神は稚児の頭に宿るとされていますので、神事の間以外は稚児を地面に降ろしてはならず、移動の際はウマ役の父親が肩車をします。
八撥神事
午後からは湯の峰王子にて八撥神事(やさばきしんじ)と呼ばれる稚児舞楽を執り行います。
これは、稚児に神霊を憑依させる儀式と考えられており、毎年賑わいを見せる儀式です。
湯の峰での神事の後は再度父親の肩車に乗って大日越えと呼ばれる山道を通り、山中にある月ヶ丘神社に移動し、八撥神事を行ってから旧社地 大斎原に移動し、夕刻まで解散します。
夕刻には宵宮行列をなす宮渡神事を執り行います。
渡御祭
熊野本宮大社例大祭のフィナーレを飾る渡御祭。
本宮大社 本殿で行う「本殿祭」と、本宮大社から旧社地 大斎原に向かう渡御祭の2つの神事から成り、毎年大勢の人が参加し、盛大に執り行われています。
本殿祭は早朝より行われ、挑花と呼ばれる菊の造花を飾り付けた神輿を据えます。これは熊野牟須美神にまつわる重要なシンボルとして用いられ、太い竹竿に木箱を取り付け、挑花を付け飾られています。
神輿には神霊が移るとされ、ご神体を宿した神輿が本殿を出発し、行列には肩車された稚児や巫女、神職者達が続きます。
大斎原では笛や太鼓にあわせて装束を付けた地元の子供たちが大和舞を奉納したり、巫女が舞を披露します。
今年は世界遺産登録20周年を記念して外国人も担ぎ手として参加し、インバウンドで賑わう熊野本宮大社がさらに盛り上がりを見せました。
潮垢離からはじまる熊野古道
SHIOGORI PROJECT(シオゴリプロジェクト)では、2024年7月に「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されて20周年を迎えることから、改めて「潮垢離からはじまる熊野古道」をコンセプトに、扇ヶ浜の潮垢離場を熊野古道中辺路ルートのスタート地点としてさらなる認知度の向上を図るとともに、より一層観光客の市街地周遊を促進するため、扇ヶ浜の自然美を活かし、扇ヶ浜を訪れたくなるような様々な仕掛けを実施していく予定です。
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SHIOGORI PROJECT(シオゴリプロジェクト)
さまざまなコンテンツ開発と地域資源をつなげながら、扇ヶ浜を起点に田辺の海、街を現代版の「SHIOGORI:潮垢離」の場として改めて確立し、新たなまちの価値創造、地域ブランディングを行う観光・まちづくり事業。
2022年より、田辺市熊野ツーリズムビューロー、南紀みらい株式会社、AND LOCALの3社連携により取り組んでおります。