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2025/04/25

【レポート】リノベで叶えた、私の快適な暮らし

テーマは「住まいのリノベーション」

4月23日(水)、和歌山県田辺市にあるtanabe en+にて、南紀みらい株式会社主催の「住まいのリノベーション」をテーマとした「リノベで叶えた、私の快適な暮らし」が開催されました。

 

講師は田辺市でグラフィックデザイナーとして活動されるdesign office COLOGRAPHICALの竹林陽子さん。虫食いの木材「あかね材」の有効活用を通して熊野の山の環境を考える異業種ユニットBokuMokuを立ち上げ森林活動もされる等幅広く活動をされています。

 

竹林さん自身も購入した空き家を住まい兼事務所としてリノベーションして暮らされており、そんな彼女のお話しを聞こうと多くの参加者が集まりセミナーがスタートしました。

「空き家」という選択肢

最初に話されたのは空き家という選択肢について。
竹林さん曰く、新築を建てるより空き家のほうが安く改修できるかもしれない、けれど空き家に惹かれた理由はあくまで「安さ」ではなく、「風情・味わい」だといいます。
たとえばクラシックカーを嗜むように古い家を愛でる、そんな価値観がもっと肯定されてもいいのでは?というお話でした。

 

続いて空き家との出会いやリノベーションの様子についてお話頂きました。
探し続けた末に出会うことのできた空き家。多くの庭木に囲まれ、まるで「森」だったそうです。いくつかの不安要素がありながらも、ついにリノベーションが始まります。

 

リノベーションをする上でまず初めに決めたこと、それは予算の上限。
空き家は改修しようと思えばいくらでも改修できてしまうため、取捨選択の軸として予算上限を設定されたとのこと。

さらにリノベーション中の様子を紹介頂きつつ、優先した改修箇所や想定より痛手となった部分などコスト面のことも紹介されました。
想定より痛手だったのは解体工事らしく、リノベーションするための空き家を探す際は解体工事が少なく済む空き家がおすすめだそうです。

 

そしてリノベーションした住まいでの暮らしも紹介頂きました。
暮らされてから実感したことは「精神的な豊かさがもたらされたこと」だといいます。
想像していた理想の暮らしが手に入ったこと、メンテナンスがかかせない古民家を労わること自体の楽しさ、また古民家を労わる中で自分自身のことも労わるようになった等、様々な変化を語ってくださいました。

 

その後、竹林さんの今後の暮らしの展望をお話頂き、大盛況の中セミナーは終了しました。

 

今回のセミナーでは、空き家のリノベーション以外にも、「安さ」ではなく「風情・味わい」に価値を感じられたように、何に価値を置くかということを知ることができたように思えます。
これは古民家だけでなく、日常でも何に価値を置くのかという風に考えられるのかもしれないと感じました。

 

南紀みらい株式会社では田辺市内における空き家、空き店舗の利活用にも取り組んでおり、2024年5月より武蔵野美術大学の学生と産学共同研究プロジェクトを実施するなどの取り組みを行っています。(関連記事

現在、田辺駅前商店街にある空き店舗(旧ギャラリー駅前)をギャラリー、POP UP、コミュニティスペースなどとして地域内外の人たちが活用できるよう、武蔵野美術大学生の小澤拓生さんを中心に学生が改修を行っています。

 

今後も積極的に空き家を活用する人が増え、地域間、世代間を越えた空間づくりと交流・繋がりが生まれ、田辺市地域の活性化に繋がるよう取り組んでまいります。

 

 

講師情報

竹林 陽子

京都府綾部市出身。2002年に和歌山県田辺市に移住。以来20年余りグラフィックデザイナーとして地域のあらゆるデザインを手掛ける。2018年に破棄される虫食いの木材「あかね材」の有効活用を通して熊野の山の環境を考える異業種ユニットBokuMokuを立ち上げ森林活動を行っている。趣味は登山とカメラ。

https://bokumoku.org