暮らすように旅する|潮垢離column

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2024/02/27

【レポート】甲斐みのりさんと行く しおごりさんぽ

甲斐みのりさんと行くしおごりさんぽ まちあるきツアー

  2024年2月24日(土)実施の当ツアーは、田辺を第二の故郷として何度も訪れ、紀行集として「田辺のたのしみ」を出版されている文筆家・甲斐みのりさんと、田辺市出身で上記書籍の作成にも携わったローカルディレクターである芝ゆかりさんとともに田辺を歩くおさんぽツアー。 和歌山県、近畿圏はもとより、関東圏からたくさんのお客様にご参加いただきました。 見どころ盛りだくさんだったお散歩の思い出が薄れないうちに振り返ります。  

潮垢離からはじまる旅―

2024年2月24日(土)、 2月にしては珍しく雨が続く毎日でしたが、この日だけぽつんと晴れ。 駅前での「おやつマルシェ」の準備も捗る中、我々は出発地である扇ヶ浜へ。  

 プロジェクト名でもある「SHIOGORI:潮垢離」。 熊野古道を詣でた過去の巡礼者たちは、まず海で身を清めて心を整えてから旅立ちをしました。 私たちも同じように、まずは旅の無事を祈って蟻通神社の宮司によるご祈祷からスタート。  

  玉串奉奠は参加者を代表して甲斐さんに務めていただきました。 広大な海と空を前に、皆でこれからの旅に心を向けます。

    準備も整い、扇ヶ浜を背にして甲斐さん、芝さんの案内によるお散歩がスタート!  

  扇ヶ浜を出るまでにも、この場所で毎月第三日曜日に行われている「弁慶市」や、浜の後ろに建っている合気道の創始者“植芝守平”記念館、道向かいにある田辺市庁舎を囲むように点在する早朝オープンの純喫茶店などの説明を聞きながら街歩きを進めます。  

  田辺湾に流れ着く会津川の河口付近には、かつて田辺城がありました。 1606年築城、1870年廃城で現在はほとんど形を残していませんが、水門や石垣は当時の面影を留めています。 城下町らしく近隣には新地がありました。こちらも現在は数件の飲食店と、夜の街を照らしてきた“田辺新地”のぼんぼりが残るのみ。 それでも所々に城下町として栄えてきた街の名残が垣間見えます。  

 

  田辺の高級天ぷら“なんば焼き”のお店や、昭和24年に建てられ、警察署や公民館としても使われてきた建築などを横目に見ながら、田辺を代表する偉人、南方熊楠の顕彰館へ。  

  甲斐さんも大好きな南方熊楠。 博物学、生物学、民俗学など知識の幅が広く、日本全国にファンの多い人物です。 こちらでは熊楠が研究していた粘菌の動きを顕微鏡で覗いたり、晩年を過ごした旧邸とたくさんの植物が植えられた庭などを見学。 読み物などもたくさんあり、半日過ごせるこの施設を楽しみ切るには時間が短すぎますが、他にも見ていただきたい場所があるため30分弱で移動しました。  

  昔ながらの店構えで今もお菓子の量り売りをしている「ともゑ堂」。 ガラス戸を開けてもらって芋けんぴやせんべい、豆菓子などがケースいっぱいに入って並んでいる様子を見せていただきました。  

  路地を抜け、キリスト教会や赤別荘と呼ばれる貿易商が建てた洋館などを写真に収めつつ…  

  世界遺産にも登録されている闘鶏神社へご挨拶。 たくさんのおみくじの中でも、人気は鶏みくじと八咫烏みくじ。 どちらも可愛く持ち帰りたくなります。  

  「田辺のたのしみ」で紹介されていたような2匹の八咫烏が並んでいるような写真もとることができました。 心なしか”大吉”を引き当てた方が多く、きっと今日の晴天も皆さんが呼び寄せたのかも、とお話ししました。  

  田辺駅前商店街に戻り、デラックスケーキが有名な鈴屋菓子店やレトロな雰囲気が漂うトイランドヨネクラなどを通り過ぎ、最後はtanabe en+へ。 地域で愛されるお店がたくさん出店するおやつマルシェを目的に、多くの人で賑わっていました。 少しだけお買い物をした後、バスに乗って紀州石神田辺梅林へ。  

  例年よりも開花が早く、道路より下の梅畑の花はほとんど散ってしまっていましたが、上を見上げると枝先に花が残り、香りもふわっと漂っていました。   たくさん歩いたのでお腹もペコペコ。 今回は特別にご用意した特製のお弁当をいただきました。  

  ビニールハウスの中は陽の光で温められて、寒い時期でもゆっくりと座って過ごせます。 具沢山のお弁当のあとには、市街地から梅林に向かう道中にある沢田製菓のいも餅をいただきました。   美味しいものをたくさん食べた後は、少し山を登った先にある梅公園へ。 勾配がやや急ですが、杖をつきながら景色を眺めつつ登ります。  

  到着すると、眼下の梅林の向こうに市街地と田辺湾。梅の花は少なくなっても、この絶景には圧巻されます。 公園には梅酒テラスとモバイルこたつ席がありました。 いつまでもここに座って、梅酒を飲みながら美しい景色を眺めていたくなります。 最後にこの風景をバックに集合写真を一枚。

   

本当に良いお天気に恵まれ、2月とは思えない暖かさのなか快適におさんぽすることができました。   甲斐さん、芝さんの田辺愛に溢れるお話を聞きながら、質問しながらのまちあるき。 参加者の皆様が満足のいくツアーであったら嬉しいです。   扇ヶ浜での潮垢離を起点として、田辺の街を楽しんでいただく“しおごりさんぽ”。 初開催のツアーで、立ち寄りたい場所、知ってほしい話が多すぎて、時間が足りずにスケジュールが押してしまい、ご迷惑をおかけする部分がありました。 参加された皆さまの声を反映して、ブラッシュアップしながら今後も継続して開催できればと考えています。 今回の参加が叶わなかった方や今回のツアーで興味を持っていただけた方は、当プロジェクトのアカウントでの続報を長い目でお待ちいただければ幸いです。  
改めて、ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
機会があれば、また田辺に足をお運びください。    

 

Special Thanks

甲斐みのり(@minori_loule
芝ゆかり(@wakayama_trip
蟻通神社(@aritoshijinja)  

お土産

パンダのどら焼き・文左
田辺っ子・七福堂
デラックスケーキ・鈴屋菓子店(@suzuya_dxcake)  

昼食

弁当・Bistro VALLEY(@bistro_valley
田舎風いも餅・沢田製菓  

まちなか

南方熊楠顕彰館(@minakatakumagusu_archives
ともゑ堂(@tomoedou
闘鶏神社
旧長井邸“赤別荘”
tanabe en+(@enplus_tanabe
紀州石神田辺梅林(@tanabe_bairin
梅酒テラス(@tanabe_umeshu

 

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SHIOGORI PROJECT(シオゴリプロジェクト)

さまざまなコンテンツ開発と地域資源をつなげながら、扇ヶ浜を起点に田辺の海、街を現代版の「SHIOGORI:潮垢離」の場として改めて確立し、新たなまちの価値創造、地域ブランディングを行う観光・まちづくり事業。 2022年より、田辺市熊野ツーリズムビューロー南紀みらい株式会社AND LOCALの3社連携により取り組んでおります。