2024/11/06
【レポート】シオゴリバvol.16
「田辺の観光資源と映像連携の可能性について考えよう」
SHIOGORI PROJECT(シオゴリプロジェクト)における人材交流と新たなチャレンジ、アイデア提案を目的とした事業「シオゴリバ」。
今回のシオゴリバは、ゲストスピーカーに和歌山大学観光学部 教授/日本国際観光映像祭ディレクターの木川 剛志(きがわ つよし)様をお迎えし、観光と映像をテーマに、ゲストスピーカーの活動内容などをご紹介いただきながら、観光まちづくりについて語り合い、様々な視点からみた田辺の可能性を探り、田辺の新たな観光・まちづくりと映像の連携について考えました。
まずは、木川先生がこれまでに行なってきた活動内容や、観光映像に興味を持ったきっかけなどについてお話しいただきながら、数ある映像の中から木川先生が厳選したものを参加者の皆さまと見ていきます。
見る人によって見え方は様々ありますが、観光映像においては、その土地に足を運びたくなるような映像が求められるので、“嫌われる映像は作らない”ということがポイントになるとのこと。
また、観光客向けに作られたものではなく、その土地の人が普段見ている風景や、食べているもの、その土地に住んでいる人のリアルな暮らしや想いが見えた時に気持ちが動かされる、そこに暮らしている人も観光資源になると話す木川先生。
木川先生の話を受けて、「田辺のどんなところを映像にしたら良いか」をテーマに、休憩を挟みながらグループで意見を出し合います。
今回のおやつは、地元で人気の和菓子屋さん「菓匠 二宮」さんのシオゴリまんじゅうをご用意。
お味はもちろん、パッケージも可愛いと大好評でした。
和やかな空気のままグループワークが終了し、各グループの代表者に発表していただきました。
純喫茶、祭りの様子、自分が実際に生活圏内を歩いている映像や、“虎ヶ峰から見る夕陽”など観光地として取り上げられていない地元のおすすめスポットのほか、バス待ちをしている外国人バックパッカー、田辺のディープスポットやそこに暮らす人の映像といった面白いアイデアもでました。
また、“潮垢離”からスタートし、熊野古道へ向かう旅行者が楽しく過ごしている様子に密着した映像という、まさしく私たちが取り組んでいるSHIOGORI PROJECT(シオゴリプロジェクト)に繋がるアイデアも。
全体を通して、木川先生から学んだことですが、映える映像、フォロワーなどの数字にとらわれた内容など、SNSが普及した今の時代、ついついそういったことに意識がいってしまいがちですが、如何に地域の資源、魅力をみせるか、そもそも何をみせたいのか、人の心にどう届けるかを今一度考えながら観光映像は制作しないといけないと思えました。
‟観光”とは読んで字のごとく、光を観ることですが、その光の捉え方はそれぞれでございます。
一つの考え方で光=人。
地域も人がつくっており、その地域に行って暮らす人に会いたいと思ってもらえる、そんな田辺の観光映像が制作できたらと思います。
開催概要
シオゴリバvol.16
「田辺の観光資源と映像連携の可能性について考えよう」
日 時:2024年10月31日(木)
開 場:18:00
開 演:18:30~20:30
場 所:tanabe en+2F ワークスペース(和歌山県田辺市湊41-1)
参加費:無料
定 員:30名
ゲストスピーカー
和歌山大学観光学部 教授/日本国際観光映像祭ディレクター
木川 剛志(きがわ つよし)氏
<プロフィール>
1976年、京都市上京区上七軒界隈に生まれる。
1995年京都工芸繊維大学造形工学科入学。研究室は西村征一郎研究室に配属される。
在学時よりアジアの建築、特にジェフリー・バワに興味を持ち、1995年3月に卒業後は4月からスリランカの設計事務所、Gruhasta、Suchith MohottiPrivate AssociateなどにJunior Architectとして勤務する。
日本に帰国後は中国の大連、アメリカのマイアミの設計事務所Beame Architectural Partnershipなどでインターンシップを重ね、2001年よりユニバーシティカレッジロンドンの建築学部、Architectural Advanced Courseの修士課程に入学し、Bill Hiller、Julienne Hanson、Alan Pennなどからスペース・シンタックスを学ぶ。
帰国後、京都工芸繊維大学機能科学専攻博士後期課程に進み、2006年博士(工学)。
2006年より、福井工業大学経営情報学科講師となり、2010年よりデザイン学科メディアデザインコース准教授。
福井市が主体となって福井駅前の地域活性化を目的としたアートイベント、フクイ夢アートの企画委員となり、多くの企画を実行する。
2012年に福井市出身の俳優、津田寛治を監督として起用した映画「カタラズのまちで」のプロデューサーをつとめる。
これをきっかけとして、自身も監督としての短編映画製作を始める。また、2014年1月から福井駅前に落語専門の寄席小屋、福井駅前寄席きたまえ亭を鳴尾健らと設立。
年末の休館まで事務局長として運営する。
2015年4月から和歌山大学観光学部准教授。学生たちと短編映画を製作し、2017年に製作した「替わり目」が第9回商店街映画祭でグランプリと串田和美監督賞を取る。
津田寛治を審査員長とした福井駅前短編映画祭を立ち上げ、実行委員会代表をつとめる。
また、観光学の研究者として、観光映像の研究を進め、2018年3月に日本初となる観光映像に特化した日本国際観光映像祭(英名:Japan World’s Tourism Film Festival)を立ち上げている。
シオゴリバとは
夕日の美しさ、市街地と近接する距離感に加え、気持ちのいい芝生の広場や歩道が整備されるなど魅力が高まりつつある扇ヶ浜。 この貴重な資源を、まちのブランディング、賑わいに如何に繋げていくか。各地の事例を学び、この地域の潜在力や課題から、海と街をつなぐ新たなまちづくりについてみんなで考え、新しい企画や事業のきっかけ、実践を探ります。 このシオゴリバをよりよく発展させ、関係者の輪を広げることにより、産官学の共創が生まれ、SHIOGORI PROJECT(シオゴリプロジェクト)における様々な事業に波及、ひいては田辺地域の観光・まちづくりに寄与していくことを目指しています。
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SHIOGORI PROJECT(シオゴリプロジェクト)
さまざまなコンテンツ開発と地域資源をつなげながら、扇ヶ浜を起点に田辺の海、街を現代版の「SHIOGORI:潮垢離」の場として改めて確立し、新たなまちの価値創造、地域ブランディングを行う観光・まちづくり事業。 2022年より、田辺市熊野ツーリズムビューロー、南紀みらい株式会社、AND LOCALの3社連携により取り組んでおります。