2026/03/15
【レポート】共同研究成果発表展示会
ご来場ありがとうございました
2024年からおよそ2年間にわたり積み重ねてきた産学共同研究プロジェクトの集大成として、「武蔵野美術大学×南紀みらい株式会社 共同研究成果発表展示会」を2026年3月7日(土)~15日(日)まで開催いたしました。
ご来場いただいた皆さま、誠にありがとうございました。
トークイベントは大盛況
3月9日(月)には、武蔵野美術大学大学院生・小澤拓生さんと制作に携わった教員、地域関係者が登壇するトークイベントが開催され、これまでの活動の歩みや制作への思いが語られました。
小澤さんの研究テーマは「無主物」。
無主物とは誰の所有にも属さないもの。過去に誰かによって使われ、そして捨てられた廃棄物のことを指すほか、誰のものでもない空気、水、植物といった自然物も法律上では同じ言葉で無主物として扱われています。
それなら、廃棄物も自然物と同じように大切なものとして扱ってあげることはできないかという矛盾に対する疑問が、「無主物」の研究を始めたきっかけだそうです。
田辺での活動
小澤さんは研究期間を通じて定期的に田辺を訪れ、SHIOGORI CAMPへの参加、tanabe en+や紀州石神田辺梅林でのこたつ設置、そして駅前商店街の空き店舗の改修など、様々な場面で地域の人たちと関りながら制作を進めてきました。
今回の共同研究の締めくくりとして、田辺駅前商店街にある空き店舗がリノベーションされ、新たな空間として生まれ変わりました。
作品に使用された素材の多くは、地域の事業者や住民の方々からいただいた廃材です。壁には漆喰に漁網や扇ヶ浜の砂、そこに流れつく漂流物などを混ぜ込んだものを使用し、田辺の海を感じられる要素が取り込まれています。
この漆喰はファサードベンチやテーブル、椅子などの作品にも使用されており、姫路城や熊本城といった日本のお城に広く施されている目地漆喰から着想を得た表現技法とのこと。制作段階で廃材からさらに端材が生まれることを極力減らすという工夫がされています。
さらに、テーブルや椅子は組み合わせや配置を自由に変えることができ、個展、ポップアップ、コンサート、会議など、幅広いシーンに対応できる設計となっています。
ennoma「エンノマ(縁の間)」
16世紀前半から近世にかけて、通りに面してものを売り買いする部屋や空間が存在した。こうした通り空間と商空間が密接に関係し合う構えを「ミセノマ(店の間)」と呼ぶ。ミセノマは通りや町、そして町人たちとのあいだに絶妙な「間(ま)」を築きながら、町の暮らし、情報、経済の中心的な役割を果たしてきた。
これらミセノマが軒を連ねる通りこそ、今日の商店街の原型といえる。
しかし現代では、ミセノマの多くが姿を消し、通りはシャッター商店街と化している。空いてしまったミセノマは、いつしか「スキマ(空き間)」と呼ばれるようになった。
今回、田辺の駅前商店街にあるスキマ空間を和歌山・田辺という土地で無主物を介して生まれたご縁を元にリノベーションしました。地域の内と外をゆるやかに結び、人々が集い、様々なご縁を紡ぐ空間「エンノマ(縁の間)」となることを願っています。(小澤さんより)
おわりに
2年間の産学共同研究を通じて生まれたこの空間と作品は、田辺という土地と人とのご縁から育まれたものです。
改めまして、
小澤拓生さん
このプロジェクトにご協力いただいた関係者の皆さま
本当にありがとうございました。
このennomaが地域に根ざした「縁の間」として、多くの方々に愛され、活用されていくことを心より願っております。
今後、皆さまに様々なシーンでご利用いただけるよう体制を整えてまいります。詳細が決定しましたら追ってご案内いたしますので、どうぞご期待ください。
SHIOGORI PROJECT(シオゴリプロジェクト)
さまざまなコンテンツ開発と地域資源をつなげながら、扇ヶ浜を起点に、田辺の海や街田辺の海、街が現代版の「SHIOGORI:潮垢離」の場として改めて確立し、新たなまちの価値創造、地域ブランディングを行う観光・まちづくり事業。 2022年より、田辺市熊野ツーリズムビューロー、南紀みらい株式会社、AND LOCALの3社連携により取り組んでおります。


















