暮らすように旅する|潮垢離column

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2023/11/05

【コラム】芳養八幡神社例祭

4年ぶりの開催

11月3日、田辺市の中芳養、上芳養地区の氏神となる「芳養八幡神社(はやはちまんじんじゃ)」において、例大祭が行われました。
コロナ禍で中止を余儀なくされてから4年ぶりの開催となりました。

芳養八幡神社とは

芳養川流域一帯は平安時代以降、山城石清水八幡宮の荘園でしたが、鎮守社として勧請され、いまは中芳養、上芳養八ヶ村区の氏神となっています。ここは豊かな森に囲まれた静かで落ち着きのあるところです。

本殿前には大きな馬の像が両側にあり、どちらも背中には翼を広げた鳩の姿があります。2体の内、向かって左側に「願馬」と呼ばれる黒い馬、右側に「神鳩・神馬」と呼ばれる白い馬があります。その姿はとても凛々しく立派です。

本殿から長い石段を下ると広々とした旧参道の馬場(全長205メートル)があり、秋祭では馬がのびのびと駆け抜けられるようになっています。また、馬場の 傍には竹で囲った馬の控えどころが用意されてあります。そして周りにある大木の枝には、長く重い竹を吊るして重しとし、枝が横方向に広がるよう工夫されて います。

 

例祭

毎年、11月3日に開催される芳養八幡神社の秋祭。
宵宮には芳養の海まで潮垢離に出かけます。当日は上・中芳養の八地区から馬が出ます。
流鏑馬(やぶさめ)では三つの的を射、神輿の御旅所への渡御(とぎょ)があり、そのあと馬駆けが行われます。
例祭は、和歌山県の文化財に指定されています。

 

活気あふれる地元の秋祭

今年は4年ぶりということで、運営される方々も数年前までの段取りなど、記憶を辿りながら、担当者も替わっていたりでバタバタだったとのことです。

しかしながら、当日は地元の中芳養、上芳養地域の内外からたくさんの来場者で神社内は埋め尽くされ、特に一番の見物である「馬駆け」では、お子様連れの来場者が増え、普段見慣れない上に馬が疾走する姿を間近で体験し、大歓声が上がっていました。

馬駆けのほかにも、各地区の代表が神輿を担いで馬場を周る神輿渡御や子供みこしも例年通り行われ、会場内は終始、活気にあふれておりました。

 

地域の祭りと潮垢離

かつてこの田辺の地では熊野詣の際に潮垢離の儀が行われていた歴史があります。
潮垢離とは海水で身を清める儀式をいいますが、なにかのはじまりの際にはまず潮垢離から、といったスタートの儀礼として浸透し、このような比較的山間部の秋祭においても、はるか昔から潮垢離からスタートとする慣例が受け継がれてきております。

受け継がれてきた地域資源に眠る潮垢離という作法を改めて掘り起こしながら、現代のSHIOGORI:潮垢離にアップデートし、新たな時代の地域ブランディングにどう活かし、馴染ませていくか。

まずは歴史を知り、現代の行われていることを知ることから見えてくるものだと思います。