2024/01/31
【コラム】紀州石神田辺梅林
一目30万本
梅の産地として、隣町のみなべ町とともに全国に知られる和歌山県田辺市。
梅畑の標高は約300mと近畿の中でも高く、眼下にはすり鉢状に広がった目いっぱいの梅畑の向こうに、広大な太平洋を望めます。
石神地区を含む、田辺、みなべの梅の栽培方法は「世界農業遺産」に登録されています。
当地域の梅畑がある場所は傾斜がきつく、手作業での受粉には限界があるためニホンミツバチを利用して受粉を行っています。また、山一面を梅の木にするのではなく、「紀州備長炭」の材料になるウバメガシの木を残しながら、農地が崩れたり山が荒れたりすることを防いでいます。
限られた地域資源を有効に使いながら、人の営みである産業と自然の両方を維持して400年にわたって受け継がれてきたことが評価され、「みなべ・田辺の梅システム」として2015年に世界農業遺産登録の運びとなりました。(詳細はこちら)
長い歴史と共に今日まで続いている梅の栽培。
暖かい陽の光と潮風で育つ紀州田辺の梅の香りに包まれながら、山を歩いたりご飯を食べたり景色に思いを馳せたりと、ゆったりとした時間の流れを感じながらお過ごしください。
イベントも盛りだくさん
期間中は全日開催しているのが、地元産品を販売する「石神市」、正解者プレゼントがあるクイズ「梅干何個?何グラム?」、公園や売店を回る「観梅スタンプラリー」です。
石神市を行っているフードコーナーでは、田舎食材をふんだんに使った「石神母さん特製弁当」が販売されています。素朴でやさしい味わいは観梅にぴったり。事前予約を忘れないようにご注意ください。
毎日曜・祝日には「梅ジュースづくり」や梅の剪定枝で焼き上げた「焼きいも」の販売が行われます。他にもガイド付きの「梅林ウォーク」や地元神島高校の生徒が梅やきとりを販売する「神島屋」が出店したり、「祝梅祭」として野点や大正琴の演奏会が実施される日もあります。
特に人気のイベントは、なんといっても「餅まき(餅投げ)」です。
餅まきは、全国的には建物を建てる際の上棟式で行われる行事として知られていますが、和歌山県はそれに限らず地域の行事などで年間1000回以上行われていると言われています。
梅の栽培だけに限らず、田辺は林業や漁業など自然とともに共栄してきました。また、熊野三山が近く自然を敬い神事を続けてきたことなどから、餅まき文化が残ってきたのかもしれません。
紀州石神田辺梅林でも、はるばる来ていただいたお客様への感謝の気持ちを込めてお餅やお菓子を投げます。
知らない人と並んでみんなで手を挙げて楽しむ様子は、まるでフェスのよう。
参加したことのない人はびっくりするかもしれませんが、怖じずにぜひ参加してみてください。
梅酒ツーリズム
田辺市では県の条例として「梅酒で乾杯」を定めて10周年を迎えました。
それに合わせて、酒蔵ツーリズムのように地域の特産品である梅酒を楽しんでもらう「梅酒ツーリズム」に取り組んでいます。
夏には扇ヶ浜に海の「梅酒テラス」を設置し、秋には駅前で「梅酒フェス」を開催しました。それに続いて、今期の紀州石神田辺梅林では”山の”梅酒テラスとして、こたつに入りながら梅酒を味わえる席をご用意します!
ご存知の方もいるかと思いますが、JR紀伊田辺駅前交流施設 tanabe en+や弁慶像前広場でも「シオゴリバ大忘年会」として設置していた「モバイルこたつ」です。
紀州桧を使用しており、コンパクトで軽量のためどこへでも持っていけます。熱源はありませんが、入っていると自然と温かくなります。梅酒を飲んでさらに温まれば、家で過ごしているような安心感で動けなくなるかもしれません。
他にもフォトコンテストやInstagramの投稿キャンペーンなど様々な催しがあります。
開花情報や詳細は、田辺市観光協会HPやInstagramアカウント(@watashi_no_tanabe)でチェックできます。
冬の厳しさを乗り超えて満開に咲く梅の花を、ぜひ見に行ってみてください。
【SHIOGORI PROJECT】
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